耳から学ぶ!JAPANESIABLEのリスニング特訓ガイド

JAPANESIABLEの中で、特に力を入れている教材が「リスニング」です。

多くの講師はもちろん、生徒も、リスニングにつまづきます。

生徒はもちろん、その難易度につまづきます。

そして、講師に関しては、例えば生徒がリスニングの問題で間違えた時、どこでつまづいているのかが見えにくいんです。

さらに、生徒の人数が増えてくれば、それぞれの間違い方があって、よけいに混乱すること…

ってなわけで、講師として、インドネシア人のリスニング力向上のために何ができるのか考えていきましょう。

この記事を読んで、ちょっとしたポイントを頭に入れておくだけで劇的にリスニングは上がってくると思います。

やっちゃいけないこと

「戦略」を話すよりもまず、リスニング学習において「やっちゃいけないこと」を話します。

1. 流し練習

JAPANESIABLEには大量のリスニング問題が用意しています。

なので、講師も適当に、生徒に音声を聞かせて、間違ったら、「ああ、間違えちゃったね。正解はコレ!」って言って、次の問題に行ってしまう…

ってケースが結構あります。

2. 学習感覚が空きすぎてしまう

リスニングは自習しようと思っても、学習者はCDを用意し、パソコンにCDを入れて、指定の課のリスニングをやる…って作業がかなり大変です。

なので、みんなに毎日リスニングをやるように言ってもサボる人が出てきます。

というわけで、毎回の授業でリスニングは取り入れるようにしましょう。

7つの戦略

では、リスニングの際に講師がとるべき戦略について見ていきましょう。

1. 発話表現と即時応答の訓練

日本語能力試験でもよく問われる発話表現です。

例えばこんな問題

「先生の家で食事をいただきました。帰るとき何と言いますか。」

A. おいしそうですね。
B. 今日はごちそうさまでした。(〇)
C. 行ってきます。

このような問題で、学生がしっかりと意味を理解しているか確認します。

慣れてきたら、選択肢を与える必要はないです。

例えば「先生の家で食事をいただきました。帰るとき何と言いますか。」と直接生徒に投げかけて答えさせましょう。

もちろん予想のはるか上を行く回答がありますが、実はこれは大きな学習チャンスです。

この時、適切な表現を説明し、何が違ったのかを共有することが大切です。

2. 縮約形、曖昧な表現、イントネーションへの注意

「違う電車に乗っちゃったね。」や「明日までにしなくちゃ。」のような縮約形、または「いいんじゃない」、「できないんじゃない」などの曖昧な表現に対応できるようにします。

これらの表現は日常の会話に頻繁に登場しますし、試験にもよく出ます。

そして、イントネーションによって意味が変わる表現についても訓練します。

たとえば、「手伝ってくれる?→いいよ。(⤴)」「コート着て行ったら?→いいよ(⤵)」などです。これらの表現を多く経験することで、インドネシア人学生は日本語のニュアンスを掴むことができます。

これには慣れが必要ですので時間がかかりますが、同じような表現は大量に出てきますので、時間をかけて学んでもらいましょう。

3. 語彙と表現の習得

JAPANESIABLEの「語彙(kosakata)」「文法(tatabahasa)」のステップで、一つ一つの単語や表現をマスターさせます。

また、語彙数が少ない段階でのリスニングはなかなか難しいですので、難しそうな印象を受けたら、難易度を下げて、語彙のヒントを出してあげたり、ちょっとした穴あき問題を出して、音声を流し、穴に入る適切な言葉を答えさせるのも有効です。

4. 日常的な聞き取り練習

日本語の聞き取り練習は学生が日本語を聞く習慣をつけるために重要です。

JAPANESIABLEではポッドキャストを使ったリスニング練習が有効です。

これは独学で暇なときに聞かせるのもいいと思います。

5. ロールプレイ

アルバイト先などで日本語を使う場面を実際に体験させることも効果的です。

そうすることで、縮約形や曖昧な表現に対する理解を深め、実際の会話に役立てることが可能となります。

リスニングの練習をやった後に、一つテーマを決めて、生徒を二人指名し、ロールプレイをしてもらいましょう。

ロールプレイの参考にJAPANESIABLEの会話動画コンテンツも利用できます。

こちらの教材はN5からN1までそれぞれ30動画、計150動画を用意しております。

ロールプレイ前の導入として活用できます。

フォーマルバージョン・カジュアルバージョンと2パターン用意しています。

6. 文型の理解と使い分け

特定の文型がどのような状況で使われるか、また、誰が動作主であるかなどを明確に理解させることが重要です。

たとえば、「~させてほしいんだけど」「~させてもらえない」「~てもいい」などは話し手が動作をする場合に使われ、「~てもらえる」「~くれない」「~たらどう」などは聞く人が動作をする場合に使われます。

これらの文型を混乱させずに使いこなせるように、繰り返し練習を行います。

文型に関しては、そのレッスン内の動画などで学ぶことができますので、インプットは動画に任せていいかと思います。

その上で、講師がそのレッスンで学んだ文型を使った文章を読み上げるとより、一回のレッスンが深く残ります。

7. 問題解決のコツを教える

問題を解くための戦略を学びます。聴解の問題を解く際には、メモを取る習慣をつけさせます。インドネシア語語で簡単にメモを取ることで、聞き取りに必要なキーワードを掴む力が向上しますので、長めのスクリプトを聞かせる際には実践してみてください。

まとめ|課題を探しながらリスニングを鍛えよう!

いくつか戦略を話しました、きっとリスニングスキル向上に役立つと思います。

ただし、言語習得は個々の学習者の能力や学習スタイルによる違いも大いに影響します。したがって、それぞれの学生に対して個別の指導を行い、彼らが自分のペースで日本語の理解を深められるような環境を提供することも忘れてはいけません。

毎日の繰り返し練習に加えて、学生が楽しみながら学習できるようにすることも、言語習得の効率と効果を高める重要な要素です。

授業によっては長文読解問題だけに時間を喰ってしまい、リスニングの時間が取れないということが出てくると思います。

例えば長文が3問あって、今日中に終わるか終わらないかわからないのであれば、1問目か2問目でで切り上げて、リスニングの時間を取るようにして、毎回の授業で一回はリスニングの学習をできるようにしましょう。

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