授業を回す/ 講師陣が「教える」ためのちょっとしたコツ

Selamat siang!(こんにちは!)

タイキです。

さて、今回は、インドネシア人向けに日本語の授業を始めたいんだけど、どうやって教えたらいいのかわからないって人向けにお教えします。

これはたぶん、正解がないんだと思いますが、いくつかのポイントを押さえておくときっと授業が実りあるものになると思いますので、参考にしてみてください。

今回は、初心者レベルの生徒、あるいは日本語に初めて触れる生徒に対しての授業で、やっておきたいことについて話します。

1. 頻出フレーズを紛れ込ませる

たとえば「あいさつ」

「あいさつ」は基本中の基本です。

だからといって、最初に「あいさつ」を教えるための授業をする必要はありません。

毎回の授業の最初に「こんにちは」「おはようございます」「ありがとうございます」といった基本のフレーズをあえて使います。これだけで十分です。

最初は、講師のマネをさせるのも有効です。

講師が「こんにちは!」という、生徒に「こんにちは!」と返事をしてもらう。

もちろん、日本語が初めての生徒にとって、発音をするだけでも難しいと思いますし、変な発音になると思いますが、そこは気にしなくてOKです。

無理に発音をみんなの前で矯正しようとすると、生徒は恥ずかしい思いをしたり、やる気がそがれてしまう可能性があるので、学習を始めたばかりの人、あるいはN5レベルであれば、ちょっとしたミスを指摘する必要はないです。

それよりも、

「私、日本語を話してる!」

「日本語でコミュニケーションが取れるんだ!」

「面白い発音!」

といったちょっとした感動を与えてあげましょう。

初めて話したことは生徒たちにとってとっても大きいことですし、最初に知識を入れるよりかは「これから頑張ろう!」と思ってもらう方が何倍も重要になります。

2. 生徒の名前の呼び方を決めよう

基本的に、JAPANEISABLEを活用する教える人は、Zoomなどで行う人が多いと思います。

生徒には名前に好きな呼び名を名前の欄に書いてもらうよう指示してください。

日本の場合は苗字を呼ぶことが一般的ですが、外国人は日本の職場ではニックネームだったりしますし、そこまでこだわる必要はないかと思います。

アルファベットで名前を書いている生徒もいるので、試しに講師が生徒の名前を読んでみて、発音が間違っていればその都度確認すればいいです。

そして、今後、授業を進める際には、できるだけ「個人名」で呼んであげることで、生徒が自分がその他大勢ではなく、「個人」として見られている印象を受けます。

インドネシア語では敬称「Pak~:~さん(男性)」「Ibu~:~さん(女性」といった敬称がありますが、自然と「〇〇さん」と呼び掛けてOKです。すぐに慣れます。

3, 毎回の確認事項を決めておく

JAPANESIABLEの授業動画では、毎回、「あいさつ+日にち」で始めています。

これは、日常的に必要な知識が自然に手に入るようにする工夫です。(先ほどの「あいさつ」も同様)

みなさんの授業の中でも、以下のような必要事項を毎回授業に入れるといいでしょう。

  • おはようございます(あいさつ)※時間に応じて変える
  • 今日は〇月〇日です。
  • 今は〇時です。
  • 〇曜日です。

数字の読み方や、曜日のことなどが回数を重ねるごとに頭に定着してきます。

逆に、一回の授業で「今日は数字をやりましょう!」といっても、すぐに忘れてしまいますので、あまり効果的ではないです。

で、生徒さんの中に今日、誕生日の人がいたら「おめでとう!」と言ったりして、みんなで「おめでとう!」といったちょっとした特別感も入れていきましょう。

授業内必須フレーズを先に用意しておく

日本語の授業では必ずと言っていいほど、使われるフレーズがあります。

それをまず生徒に教えてあげるのがいいです。

Taiki
Taiki

インドネシア語読みを書いていますが、カタカナ読みで十分通じるから安心してね。

講師側が使うフレーズ
  • 「始めましょう:Ayo kita mulai(アヨ キタ ムライ)」
  • 「見てください:Silakan lihat(シラカン リハット)」
  • 「わかりましたか?:Mengerti?(ムングルティ?)」
生徒側が使うフレーズ
  • 「もう一回言ってください:Tolong ucapkan sekali lagi(トロン ウチャップカン スカリ ラギ)」
  • 「すみません:Permisi(プルミシ)」
  • 「わかりません:Tidak mengerti(ティダ ムングルティ)」
  • 「質問があります: Saya mau tanya(サヤ マウ タニャ)」
  • 「~って何ですか?:~itu apa?(~イトゥ アパ)」

これらのフレーズは、クラスの初日などに導入しておくといいでしょう。

そして必要に応じて、生徒が使えるフレーズがあったら教えてあげて、このリストに組み込んでください。回を重ねるごとに、円滑な授業ができるように心がけましょう。

最初の授業は「授業をしない」

最初の授業はみんな緊張しています。

これはインドネシア人だけではなく、おそらく今この記事を読んでいるあなたもです。笑

そのため、授業の最初にはその緊張を溶かしてあげることが大切。

授業に一体感が生まれ、お互いの理解が深まるはずです。

以下におすすめの初回授業の内容でやるべきことを紹介しておきます。

a. 自己紹介プレゼン資料を作る

つたないインドネシア語でいいので、自己紹介してみてください。インドネシア人サポーターがいるのであれば、一緒に作ってみるといいです。

パワポなどで、なぜ自分はインドネシアと関わりがあるのか、初めてインドネシアに行った時のこと、この授業で学べる事、個人的な趣味や目標など、講師の人となりが見える様にしてください。

b. 生徒同士会話させる

生徒はまだ日本語が話せない状態の人も多いと思いますので、生徒同士で軽く話してもらうようにしましょう。(人数が多い場合はブレイクアウトルーム機能を使ってグループを分けて、話し合ってもらいましょう。(講師はその様子を笑顔で見守るだけでよい。)

ブレイクアウトルームとは、ミーティング参加者を少人数のグループに分ける機能です。詳しいやり方については「こちら」をご参照ください。

そして、話し合う内容は具体的に指示してください。

例えば、

「自己紹介をしてください」

「なぜ、勉強を始めましたか?」

「日本に興味を持った理由は?」

テーマを決めておかないと、ただの雑談に終始しまいます。

そして、講師からも質問しましょう。(できればインドネシア語で「カタカナ読み」でもOK)

DeepLというサイトがあります。こちらではかなり精度の高い訳も出してくれるので、教案作成でインドネシア語が必要な場合は使ってみるのもいいでしょう。

講師から質問する際、インドネシア語が上手な必要はありません

講師は「待ちの姿勢」が大事で、生徒が話すまでできるだけ待ってください。

生徒は日本語っていう難しいわけのわからない言語を話されていると、かなりのストレスです。

中には、失敗したくないって生徒もいます。

だからまず大切なことは生徒を安心させること。

最初は間違えてもいい雰囲気、何か答えてくれたら、

ありがとう!Terima kasih!(トゥリマカスィ=ありがとう)とか「Hebat!(ヘバット=すごい!)オーバーリアクションで言ってあげてください。

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